しじみの種類、ヤマトシジミとは

ヤマトシジミとは

ヤマトシジミはマルスダレガイ目シジミ科の小ぶりの二枚貝です。国内のスーパーなどでよく見かける黒く艶のあるしじみは、99%がこのヤマトシジミだといわれています。

ヤマトシジミの特徴

ヤマトシジミは貝の膨らみが少し高めの形をしており、貝殻の表面にある同心円状の筋は薄めですが、肋(アバラ)はしっかりと角が立っています。表面はとても艶やかで、貝の内側は白紫色をしているケースが多くあります。

1年中漁獲できる

ヤマトシジミはほとんど1年中流通しています。そのため、安定して入手することができる食材の一つです。

生息できる塩分濃度

ヤマトシジミは海水と淡水が混ざり合っている、塩分濃度0.3~1.0%の汽水域という場所で生息しています。さらに、しじみの繁殖期の授精に適している塩分濃度は約0.5%といわれています。
ヤマトシジミは汽水域であれば全国どこでも生息できますが、その漁獲量が最も多いのは島根県と青森県です。

ヤマトシジミの代表的な産地

島根県の宍道湖

宍道湖は島根県東部にある日本で7番目に大きな湖です。斐伊川から流れてくる淡水と、日本海から中海・大橋川を通じて流れてくる塩水が混ざり合う汽水湖で、ヤマトシジミの生息に適しています。
宍道湖の塩分濃度は潮の満ち干きによって多く変わります。それによって酸素の濃度も変化し、貧酸素水塊(ひんさんそすいかい)と呼ばれる水中の酸素量が不足している水域が生まれることもあります。
そのような自然環境の宍道湖に生息しているので、内臓が発達して大粒で旨味があり、栄養も豊富なヤマトシジミになります。

青森の十三湖

青森県内でしじみが捕れる湖は複数ありますが、その漁獲量の大半は十三湖です。十三湖は岩木川の淡水と日本海の海水が合流している汽水域で、ヤマトシジミの生息に適した場所です。
十三漁業協同組合が発表しているヤマトシジミの栄養分析表によると、十三湖のヤマトシジミの成分は、他の国内産しじみと比較して、アルコール分解を助けるアラニンやグルタミンが豊富に含まれています。
これは、寒い季節が長い青森ならではの事情が関係しています。1~2月のしじみは「寒しじみ」と呼ばれ、湖底で寒さから身を守るために旨味成分やオルニチン、タウリン、ビタミンB群などをため込んでいます。
ほかにもカルシウムや鉄、亜鉛などの疲労回復や美肌に効果のある栄養素も凝縮されています。寒い時期の長い青森のしじみはより多くの旨味成分や栄養素を蓄えているのです。

産地による見た目と味の違い

宍道湖で獲れたヤマトシジミは塩分濃度の頻繁な入れ替わりがあるため、それに耐えるために内臓が発達しています。そのため旨味が高く大粒で肉厚です。
一方、十三湖で獲れたヤマトシジミは寒さに耐えるため小粒ですが、旨味成分や栄養素がぎゅっと濃縮されています。その味わいはコクと深みがあり、かつさっぱりしています。 どちらの産地のヤマトシジミも非常に味わい深く、栄養たっぷりです。

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