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しじみの成長過程

シジミは淡水域や汽水域に生息する二枚貝です。日本で採取できるしじみは、ヤマトシジミ、マシジミ、セタシジミの3種類です。

シジミの種類別、成長過程

日本の市場に最も多く流通しているのがヤマトシジミです。よくスーパーなどで見かける、黒く光る3cm程度のしじみがヤマトシジミです。

ヤマトシジミ

汽水域に生息しているヤマトシジミは全国どこでも採取できます。中でも主な漁獲域は島根県の宍道湖や青森県の十三湖、小川原湖などです。

卵から幼少期

繁殖期は7月~9月です。一個の雌から0.1mmほどの卵が数十万~数百万個産まれます。卵は湖の中を漂いながら幼生へ成長します。そのため、水流によってはかなり遠くへ運ばれる卵もいます。また、魚などの餌になってしまうケースも少なくありません。

稚貝

稚貝になると、湖底に沈んで着底します。プランクトンや有機懸濁物を食べながら成長します。この時のサイズはまだ砂粒ほどで、流通可能な1.7cm以上になるまでには2年以上かかります。

成貝

ヤマトシジミの成長速度は水温に左右され、15度以下になると成長が遅くなります。逆に20~25度前後の春から秋には成長速度がアップします。
そのため成長速度は地域による差が顕著で、島根県では2~3年で成貝になりますが、北海道では5~7年もかかります。
成貝になると体に卵や精子を持つようになります。雄の身は白っぽく、雌は黒っぽくなります。
寿命については明らかになっていませんが、10年以上は成長を続けるため4~5㎝まで成長します。

マシジミ

マシジミは河川や水路、ため池などの緩やかな流れのある淡水に生息しています。雌雄同体で卵胎生です。市場にはほとんど出回っていません。

卵から幼少期

繁殖期は4月~10月で複数回産卵します。体内受精した後、孵化するまでは20時間程度かかります。孵化した幼生は稚貝になるまでのおよそ5日間、母となる雌の鰓葉(サイヨウ)というエラの一部の中で育てられます。
卵を体内で育てるスペースには限りがありますので、あまり大量に卵を抱えた場合は卵そのものを放流することもあります。

稚貝

稚貝として放出された後は砂泥の中にもぐって生活します。1年で1.6㎝ほどまで成長し、2年で2.5㎝になります。

成貝

マシジミの成貝は3~4cmほどです。餌になるのは微生物やコケなどで、適正水温は15~25℃です。

セタシジミ

セタシジミは琵琶湖水系にだけ生息する固有種の二枚貝です。殻に光沢があり、肉厚でうまみが強い貝ですが、やや淡い味わいです。琵琶湖周辺や強度などでは流通していますが、関東などの市場ではほとんど見られません。

卵から幼少期

繁殖期は6月~10月です。セタシジミは個体により雌の区別があり、体外受精を行います。水温が20℃以上あるときに3~4日間かけて孵化します。

稚貝

稚貝は黄褐色でつややかな殻表です。ときには赤褐色の放射帯が現れることもあり、とても美しい貝です。生後1年で1cmほどになり、2年で2㎝ほどになります。

成貝

成貝になると殻表は黒色もしくは茶色になり、光沢もあまり無くなります。正三角形をしており、ふっくらと膨らんでいることが特徴です。
主な生息域は底質が砂や小石の多い砂礫(サレキ)で、砂泥の水深10mほどの浅い所です。

まとめ

しじみは種類によって生息域や成長速度が異なり、春から秋までと産卵時期が広範囲にわたります。そのおかげでほぼ1年間安定してしじみを食べることができます。
しじみにはオルニチンやビタミンB群、鉄分、亜鉛などさまざまな栄養素が含まれていますので、積極的に食事に取り入れたい食材です。

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