日本に生息しているしじみは、淡水にすむマシジミと汽水域にすむヤマトシジミ、そして琵琶湖だけに生息しているセタシジミの3種類です。
国内で流通している食用しじみの99%を占めているしじみです。スーパーでよくみられる黒く光るしじみは、このヤマトシジミです。
ヤマトシジミは、海水と淡水が混ざり合う汽水域に生息しています。外貝が黒色の二枚貝で、汽水域であれば干潟でも生息できます。
全国の淡水で生息しているしじみです。殻の色は生息地の影響を受けて変わりますが、主に黒みがかった緑や茶褐色をしています。
外来しじみの激増やマシジミに酷似した外来しじみの繁殖により、現在減少の一途をたどっているしじみです。
琵琶湖でのみ生息している固定貝です。黒みがかっていますが、茶色や黄色、赤などの明るいべっ甲のような美しい色合いが特徴です。
現在は琵琶湖の環境変化などにより、セタシジミの漁獲量はピーク時のおよそ100分の1ほどに落ち込んでいます。
しじみは塩分濃度が0.3~1%の美しい淡水や汽水でのみ生息しています。そのため、主な生息地域は湖や沼、河川などの一部の浅瀬です。
しじみは全国的にどこの河川でも摂ることができます。しかし、その漁獲量には大きな差があります。
平成27年のしじみ漁獲量は、農林水産省によると全国で9,818tです。そのうち島根県が4,006t、青森県が3,571tとその大半を占めています。漁獲量3位である北海道は868tで、4位以下は500tに届いていません。そのことからも分かるとおり、日本国内のしじみ漁獲量は島根県と青森県がそのほとんどを占めていることが分かります。
宍道湖にはおよそ300名ものしじみ漁業者がいます。宍道湖のしじみ漁はこの地域の風物詩でもあり、しじみが住みやすい資源管理をしっかりと行っています。
漁業者はジョレンと呼ばれる道具を使ってしじみを採取しますが、その棒の先に着いた篭の幅や奥行きは60㎝、高さは35㎝以内と決められています。また、総量も同じように規定のサイズのコンテナ2箱、およそ150kgまでと制限されています。
季節などにより、操業日や禁漁日、操業時間などもきっちりと管理されています。
これらは全て宍道湖のしじみを守るための決まりです。このように、しじみの生息をしっかり管理することにより、宍道湖は長年しじみの漁獲量第一位を誇っているのです。
しじみは無主物として乱獲されていたことや環境問題などにより、その数を減らしていきました。しかし現在では漁業協会組合などが管理して、しじみの漁獲時期や時間、区域をしっかり決めています。これは、しじみを守るために重要なことです。
美味しく健康に良いしじみが安価で食卓にあがるのは、こうした多くの漁業関係者が環境保護をしているからなのです。