皮膚は「表皮(ひょうひ)」「真皮(しんぴ)」「皮下組織(ひかそしき)」の3層からできており、表皮はさらに4層構造に分けられます。この4層の表皮で、皮膚が生まれ変わり新しい皮膚を作り出す働きのことをターンオーバーといいます。
表皮の4層のうち、最も深いところにあるのは基底層(きていそう)です。基底層で生まれた細胞は徐々に表面へと押し上げられていきます。最も表面である角質層(かくしつそう)までたどり着くと角化細胞(かくかさいぼう)という死んだ状態になり、アカとなって自然と剥がれ落ちるわけです。
この周期をターンオーバーといいます。
肌のターンオーバーの周期は体の部位によって異なりますが、角質層が角化細胞となって剥がれ落ちるまではおよそ28日間といわれています。
元々個人差もある肌のターンオーバーですが、加齢とともに新陳代謝が低下するとこのターンオーバーの速度も下がってしまいます。肌がくすむ、シミが増えたなどの症状が肌に現れたら、ターンオーバーの速度が落ちているサインです。
しじみに含まれるオルニチンには成長ホルモンの分泌を促す効果があります。成長ホルモンの働きが活性化すると細胞分裂も活発になり、肌のターンオーバーサイクルの改善に繋がります。
オルニチンは、体内で発生する毒素であるアンモニアの分解や排出を促進します。肝機能のサポートをする働きがあるため、肝機能が改善し基礎代謝がアップすることに繋がります。
抗酸化作用も向上するので、細胞が活性化し肌のターンオーバーにも良い影響があります。そのため、シミやくすみなどの改善にもプラスの効果があるのです。
肝機能が良くなると、疲労回復だけでなく精神的に安定する効果もあります。良質な睡眠がとれるようになり、質の良い睡眠は成長ホルモンの分泌を促す効果もあるため、アンチエイジング効果も高くなります。
しじみには、オルニチンの他にもターンオーバーのサイクルを正常化させる効果がある栄養素が含まれています。それはアミノ酸やビタミン、ミネラルなどです。アミノ酸は体の細胞や組織を構成する重要な栄養素です。
しじみに含まれるビタミンB12と葉酸は結合して血液を作り出します。また、鉄分も血液のもととなる栄養素です。血液が綺麗になると体中に酸素や栄養素が行き渡るようになります。そうすると肌細胞の活性化が促され、血色がよくなり健康的で美しい肌になるわけです。
さらに、糖質や脂質の代謝を促進してエネルギーに変える栄養素であるビタミンB2もしじみに含まれています。脂質がエネルギーとして変換されなくなると、皮膚や粘膜の機能に悪影響を及ぼすこともあります。皮膚の機能が滞りターンオーバーに影響が出ると、肌がカサカサしたりニキビができるなど、肌トラブルの原因になるのです。
血液が綺麗になり、新陳代謝がアップすると、身体の隅々まで栄養が行き渡るようになります。そうすると細胞や組織の活動力が上がり、結果的に肌のターンオーバーサイクルが正常になります。
ターンオーバーは早すぎてもトラブルのもとになります。顔を洗いすぎたり、角質ケアをし過ぎるとターンオーバーが早まってしまいます。角化細胞になる前に、核を持ったままの状態で表面に押し上げられてしまうと、肌が乾燥しやすくなることもあります。そのため、ターンオーバーサイクルは正常な速度であることが重要なのです。