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しじみの育つ環境

しじみの生息域

しじみは日本全国どこでも獲られています。生息域は河川の淡水と、海の塩水が交じり合う汽水域と呼ばれる場所です。主に河川や湖沼、沿海などにあります。汽水域は淡水域や海水域と比較すると、単位面積当たりの魚類の生産が最も高くなっています。
そのためしじみが生息しているのは湖や沼、河川などの浅瀬です。

汽水域の土壌

汽水域の土壌は泥含有量90%以下の土質であり、植物プランクトンや底生藻類などの海藻が多く繁殖しています。
そのため、それらを食べて成長する動物プランクトンや貝類、小魚、稚魚にとって栄養満点のえさ場なのです。

塩分濃度

淡水域は塩分濃度0.05%以下で、海水域は塩分濃度3.3%以上の所が多くあります。一方汽水域の塩分濃度は0.05%~3.5%です。
しじみが好む塩分濃度は、約0.3~1.0%のところです。中でもしじみの繁殖期の授精に適している塩分濃度は約0.5%といわれています。

しじみの成長環境

しじみは成貝になると体に卵や精子を持つようになります。寿命ははっきり分かっていませんが、10年以上は成長を続けるといわれています。

しじみの産卵環境

しじみの繁殖期は梅雨明け後の7~9月です。しじみの繁殖期の授精に適している塩分濃度は約0.5%ですから、梅雨の時期は川の塩分濃度が低くなるためほとんど産卵しません。
一度の産卵で数十万~数百万個の卵を産みます。卵の大きさは約0.1mmで、水中で受精するため水温は23℃以上であることがほとんどです。

稚貝にとって育ちやすい環境

生まれた卵は6~10日間水中を浮遊した後、0.2mmほどになると着底稚貝となります。小さな稚貝でも流されないよう殻長7mmほどになるまではクモの糸のような足糸(ソクシ)を出して物に付着します。
湖底の土壌には稚貝よりも小さな植物プランクトンや藻類が多くいますので、栄養補給には困りません。

稚貝の成長速度

稚貝の成長速度は環境の影響や個体差により、10倍以上異なることもあります。しじみの成長速度は主に水温に左右され、15℃以下になると成長が遅くなるためです。20~25℃前後の温度が最も成長速度がアップするので、島根県のしじみは2~3年で成貝になりますが、北海道では5~7年もかかります。

しじみの生息域での漁獲規定

しじみは汽水域であればどこでも生息できますが、日本で漁獲されるしじみの大半が島根県の宍道湖や青森県の十三湖、小川原湖などで獲られています。
これらの漁獲域ではしじみの生産量をキープするために、漁獲するための道具につけられている箱や網目のサイズが細かく決められています。
また、季節によって操業日や禁漁日、操業時間などが定められているほか、一艘当たりの漁獲量なども規定があり、全ての漁師がそれを守ることによりしじみは守られているのです。

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